糖尿病性昏睡


1型糖尿病患者に多く見られます。高血糖の状態を放置すると昏睡に陥り大変危険な状態になります。


糖尿病性昏睡の主な症状

症  状 説               明
著しいのどの渇き 血糖が高くなると薄めるために水分が血管内に移動し、血液量が一時的に増えます。そのため、尿量が増えて脱水状態となり、のどが著しく渇きます。
脱水
悪心、嘔吐 脱水により、電解質のバランスが崩れて体の調子が悪くなり、全身倦怠感や腹痛、下痢などの症状として現れます。
腹痛、下痢
ショック、昏睡 高血糖状態がひどくなると起こります。(血糖値 500mg/dl以上)


高血糖の原因

●1型糖尿病患者でインスリンの量を急に減らしたり、中止した場合
●2型糖尿病患者で病状が進み、インスリン分泌量が減少したり、インスリン抵抗性が強まった場合。
●インスリン不足に加えて、風邪などの感染症、ストレスが重なると著しく血糖が高くなる。

<風邪などの感染症、ストレス>
 糖尿病患者は、白血球の働きが低下していることから、感染症にかかりやすくなっています。
身体は風邪などの感染症やストレスに対抗するためにエネルギーを必要とするため、元気になるために肝臓で糖をつくり、血糖を上げようとします。身体の自然な反応で、糖尿病患者では糖がどんどん溜まり、高血糖になってしまいます。


高血糖状態、糖尿病性昏睡時に行う検査

血中または尿中のケトン体を調べる

◆ケトン体とは?
 インスリンが不足してブドウ糖がエネルギー源として利用できなくなると代わりにたんぱく質(筋肉)や脂肪を使うようになります。
 脂肪がエネルギー源として分解されたときに生じるのがケトン体です。ケトン体は酸性の強い物質で、体にたまると血液が酸性(通常は弱アルカリ性)となり、危険な状態となります。


高血糖の予防と対処法

◇激しいのどの渇きや、全身の倦怠感、胃腸の調子が悪いと感じたら、血糖自己測定をしてみましょう。
◇風邪などで食欲がなく、食べたくなくても、薬やインスリンを中断しないように少しでも喉を通るものを入れることが重要です。
◇どうしても食べられず、薬の服用、インスリンが打てない場合は、病院に連絡をしましょう。
◇昏睡状態になったときは、緊急に医師の治療を受ける必要があるため、自分が糖尿病であることや、氏名、自宅、病院の連絡先がわかるようなメモを常に携帯しておくことも必要です。(社)日本糖尿病協会では、専用のIDカードを発行しています。



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