体の中に入ってきた脂肪は、筋肉に燃やされるために血液中に運ばれていきます。しかし、運動をしていない筋肉は脂肪を燃やしてくれません。使われなかった脂肪はすべて体脂肪として蓄えられていくのです。
運動しない体の中では、血液中にも脂肪分が溢れてしまって、高脂血症の原因となります。
有酸素運動 | 無酸素運動 |
継続的で比較的弱い力が筋肉にかかり続ける時は、エネルギー源として体内に蓄えられている体脂肪を燃焼させて使います。燃焼材料として酸素が必要です。20分以上続けることで脂肪燃焼が効果的に起こります。 |
瞬間的強い力が必要な時は、筋肉に貯めておいたグリコーゲン(糖質)を主原料として使います。 酸素を必要としないので、短時間しか運動できないが、筋肉を鍛えることができます。 |
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体脂肪を燃やす | 基礎代謝量を増やす |
有酸素運動と無酸素運動はどちらもダイエットに必要です!!
体脂肪を減らすポイント
◇有酸素運動のポイントは20分以上続けること。
なぜ20分なのでしょう?
20分までで使われる脂肪 | 20分後から使われる脂肪 |
血中の脂肪 | 内臓・皮下脂肪 |
血液をサラサラな状態にするので健康維持のためなら十分な時間です。ですが、脂肪細胞を減らすには有効とはいえません。 |
血液中の脂肪分をある程度使い終わると、ようやく皮下脂肪や内臓脂肪が使われるようになります。 |
脂肪細胞に蓄えられた脂肪は、脂肪分解酵素リパーゼによって分解されて初めて燃焼に使われるのです。リパーゼを働かせることが重要ですが、低温では細胞を破壊する働きが鈍ります。また、高温になりすぎてもバテて働きが鈍くなります。適温は体温から1〜2℃上がった状態がベストです。体温が適温になり(少し汗ばむ程度)リパーゼが活性化しはじめるのは、運動開始後約20分後です。あとは、続けるだけ体脂肪を燃やしてくれます。
◇激しい運動で消費カロリーを増やしても、体脂肪は効率よくは燃えない。
有酸素運動でも、無理して頑張ってしまうと早くて浅い呼吸になるため、脂肪を燃焼するために必要な酸素が不足します。息が苦しくなった時は無酸素運動になってしまうのです。頑張りすぎるとグリコーゲン(糖質)ばかり多く使われ、体脂肪は燃えません。
◇運動するのは少し空腹の方が良いが、朝は血糖値が最も低いので何も食べずに運動を行うのは危険です。脳のエネルギー源は糖質です。注意しましょう。
基礎代謝量を高める(=太りにくい体質になる)ポイント
基礎代謝量とは | 身体的、精神的に安静な状態で代謝される最小のエネルギー代謝量であって、生きていくために必要な最小のエネルギー代謝量です。 これは当然寝ていても消費します。 人種、性別、年齢、体格、生活状況、体表面積、平均体温などによって異なり、食事や運動などの日常行動によっても異なってきます。 |
◇基礎代謝に影響を及ぼす要因
年齢 | 年齢 | 基礎代謝量(男)kcal | 基礎代謝量 (女) kcal |
18〜29歳 | 1550 | 1210 | |
30〜49歳 | 1500 | 1170 | |
50〜69歳 | 1350 | 1110 | |
70歳以上 | 1220 | 1010 | |
20才前後が最も高く、20代前半から減り始め、50前後でさらに下降する。これは、ホルモンの分泌が減少してタンパク質から合成される筋肉量が低下するため、中年以降は太りやすい体質に変わっていきます。 | |||
性別 | 女性は男性よりも基礎代謝量が低いので、女性の方が少ないエネルギーで生命を維持することが出来ようになっています。 | ||
体格 | 脂肪と筋肉では、筋肉の方が脂肪よりも消費されるエネルギーが多いので、筋肉のよく発達した人は、基礎代謝量の割合が大きくなります。 | ||
体温 | 体温が1度上昇すると、基礎代謝量は約12〜13%増加します。 冷え性の人は基礎代謝が低いといえます。 |
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季節 | 夏の暑い季節は基礎代謝は低く、冬の寒い季節は基礎代謝が高くなる傾向があります。 | ||
栄養状態 | 低栄養状態の人は基礎代謝が低くなります。たんぱく質合成の低下によるもので、エネルギー消費を抑制するための現象と考えられます。体重が落ちれば体表面積も少なくなり、基礎代謝量は減少します。 | ||
病気 ホルモン |
感染などで発熱し、体温の高いときは代謝は盛んになり、基礎代謝は高くなります。 基礎代謝は月経中に最低、その後徐々に増加し、月経2〜3日前が最高となります。 妊婦では妊娠後期に基礎代謝量が20%位上がります。 |
※基礎代謝量は一日これ以上カロリーを取らなければ太ることはないのですが、この量では、飢餓状態と言えます。この制限により体が飢餓状態を感じて消費エネルギーを25%まで減らしてしまいます。基礎代謝を減らし、脂肪ではなく筋肉を分解してエネルギーにしてしまうのです。必要以上の制限は、痩せにくい体を作ってしまうので無理ない食事と運動を併用して下さい。
◇筋力トレーニングで筋肉を増やす。
筋肉をつける事は、血液の流れ、酸素の供給などを向上させエネルギー消費を多くさせ、基礎代謝量を増加させます。寝ている時も脂肪を燃やしてくれるので、痩せる体質になれます。
◇筋肉を増やすことで、より有酸素運動の効果が高まり痩せやすい。
体全体を鍛えるには、大きな筋肉を使う運動をすると良いです。例えば、ダンベル体操なら、1kg程度の重さのもので良いので、きつすぎない運動強度がポイントです。また、ウォーキングをやったら、スクワットをやるなど、有酸素運動の合間に筋力トレーニングをはさむ方法(サーキット・トレーニング)で、さらに効率よく、エネルギーを燃焼させる事が出来ます。
◇自分に合った運動で、無理なく続けられる運動を選びましょう。
(例)運動プログラムの目安 : 1日1時間
10分 ストレッチ、筋力トレーニング |
40分 有酸素運動orサーキット・トレーニング |
10分 ストレッチ |