1条 ダイエットに取り組む信念を持ち続けること。
やせられない人はいません。要は、継続できるかどうかです。継続するためには、目標を強く持ち続け意識的に自分の目標を再確認しましょう。ムリな目標、ムリな頑張りは長続きしないので、適度な柔軟さをもって臨みましょう。
2条 食事と運動のコントロールが成功のカギ。
ダイエットするには、運動や生活で消費する消費エネルギーを食事でとった摂取エネルギーよりも多くすることが必要です。食事制限のみのダイエットは脂肪と一緒に筋肉など他の必要な部分まで落としてしまいます。また、運動だけで食事のカロリーオーバー分を消費するのはとても大変なことです。食事と運動の両面をうまくコントロールして、徐々に脂肪を落とし、また、太りにくい体質をつくることが大切です。
3条 極端に食べる量を少なくしないこと。
極端な食事制限は、生存本能から身体が飢餓状態に備えて、太りやすくやせにくい体質を作り上げてしまいます。加えてストレスなどからリバウンドを起こし、ダイエット前より悪い体質になってしまうことがよくあります。ビタミン、ミネラルも身体に必要な栄養分です。カロリーを極端に減らすのではなく、糖質、脂質、たんぱく質の摂取量バランスを整えて、ビタミン、ミネラルをたっぷり摂ることがダイエットの近道なのです。
4条 自分の適正体重を知り、自分の生活リズムに合わせたダイエットプランを立てること。
適正体重まで減量し、維持することで、生活習慣病の予防となります。生活スタイルは個人でさまざまですが、起床、就寝、食事時間、運動時間のリズムを整えて無理のない良い生活習慣をつくりましょう。
5条 自分の適正エネルギーを知る。
エネルギーの摂りすぎは肥満を招きます。消費エネルギーより摂取エネルギーが多いと太ります。いったい、自分がどのくらいのエネルギーを必要としているのかを知ることが大切です。
・・・身体活動量の目安・・・
●軽い労作(座っている時間が長い場合):25〜30
●普通の労作(立っている時間が長い場合):30〜35
●重い労作(重労働の場合):35〜
6条 主食の量を決めてバランス良くする。
糖質である主食には、ご飯、パン、麺類、マカロニ、スパゲッティ、とうもろこし、いも類があります。極端に減らす必要はなく、適正エネルギーの50%は主食から摂りましょう。
主食の量を決めてしまえば、エネルギーコントロールがスムーズです。1食のうち、主食におかず1品、野菜が主の副菜を揃えれば、バランスが良くなります。
主食のカロリー目安表
7条 1ヶ月に2kg程度の減量を目安に。
1ヶ月に2kgという数字は、少なく感じるかもしれません。早く自分の目標を達成したいと思うのが人の常ですが、体重の急激な減少は、その後のリバウンドにつながります。あくまでも、余分に蓄積された脂肪を落とすことが先決で、脂肪は軽いので数字になかなか表れません。数字のみを落とすことに捕らわれないようにしましょう。1ヶ月に2sでも半年で12sにもなります。長い目で見て頑張っていくこと
8条 自分の体重推移を記録する。
体重の計測は、起床時と就寝時に測ることをおすすめします。就寝時の体重と翌日起床時の体重に変化がほとんどない場合はダイエットになんらかの問題があると考えられます。体重の推移に気を配ることでペースや、パターンもわかってきて精神的に余裕が持てるようになります。
体重チェックシート
9条 寝る3時間前は食べない。
夕食を遅くに食べたり、ちょっとでも夜食を摂ったりしていませんか?脳の働きは、朝や昼の活動時間帯は交感神経が働いており、食事から摂取したエネルギーは代謝に使われますが、夜は副交感神経が主となり、エネルギーを吸収しようと働きます。夜は、胃腸の消化力が昼間の2〜3倍もあります。寝る直前にとった摂取エネルギーは、ほとんど消費されないで蓄積されてしまいます。夕食はなるべく早く済ませて、寝る前にお腹が空いたら、水分で空腹を紛らわしましょう。
10条 朝食はしっかり摂り、夕食は控えめに。
朝食はフルーツと牛乳でも良いのでしっかり摂りましょう。一日に2食しか食べなかったり、一度に多く食べて食事間隔が長かったりすると、身体が飢餓状態を避けるために食べた栄養が吸収されやすい体質になってしまいます。朝はそこそこ食べても太りにくいので、朝はしっかり摂り、夕食は8分目に控えることがポイントです。
11条 夕食は高カロリーメニューを避けて、脂肪の少ない高たんぱく、高ビタミンの食事を摂りましょう。
夜は朝、昼よりも吸収が良いので、カロリーを摂りすぎて脂肪を蓄積しないことが必要ですが、身体に不足していたり、必要な栄養素は夜に摂ると吸収が良くなります。夜は脂肪を抑えて、たんぱく質やビタミン、ミネラルをたっぷり摂ることをおすすめします。
12条 外食の頻度は控えめに。
外食の大部分は、脂肪、糖質を摂り過ぎる傾向が見られます。食の多様化により、和食以外に洋食、イタリア料理、中華などの外食産業が増加しています。欧米化の食事は肉類など動物性脂肪が中心でカロリーオーバーしやすく、また、中華などは炒めもの、揚げものが多く油によるカロリーオーバーになりやすいのです。やむを得ず、外食の頻度が多い場合は、なるべく和食を中心に定食やうどん、そばなどにします。週2回程度を目安にすると良いでしょう。
13条 外食時はカロリー表示に惑わされないこと。
最近では、メニュー表にカロリー表示があったり、コンビニの惣菜や弁当にもカロリー表示があります。カロリーだけに捕らわれてしまうと栄養のバランスが崩れていても気付きません。脂質の表示がある場合は、脂質の含量の少ないものを選ぶと良いです。1品料理でカロリーが高くなくても、バランスを考えると定食にしてご飯とおかずを少しずつ残す方がバランスが取れるのです。
14条 夕食後のデザートは控えること。
糖質の中でも、砂糖や果物に含まれる果糖は特に吸収されやすいため、夜に摂ると脂肪になりやすいのです。夕食後のデザートはできるだけ避けて、どうしても口直しが欲しい場合は果物を少量摂りましょう。
15条 調理方法は揚げもの、炒めものの回数を減らし、煮もの、焼きものを中心にした献立にすること。
糖質、たんぱく質、脂質は三大栄養素です。糖質とたんぱく質は1g当たり4kcal 、脂質は1g当たり9kcalになります。すなわち、調理で使われる油も1gで9kcalもあるのです。油やマヨネーズ、バターなどは高カロリーです。特に揚げ物は油の吸油率が高く、とんかつ1人前では、油が約20gも吸収されています。煮ものや焼きもの、茹でる調理方法を積極的に取り入れて油の使用量をできるだけ少なくするように努めましょう。
16条 よく噛んで食べること。(早食いしない)
胃が満腹になったからといって、すぐに脳が満腹だと感じるわけではありません。食事をとって消化吸収し、血液中の血糖値が上がって私たちの頭の中の満腹中枢にサインが届くまでに、20分ほどかかります。早食いをすると、このサインが届くまでに、必要以上に食べ過ぎてしまいます。胃はかなり伸縮しますので、早食いをすると、ゆっくり食べた場合に比べ倍以上食べてしまいかねません。ひと口ひと口じっくり噛み、時間をかけて食べるようにしましょう。
17条 肉料理よりも魚料理を中心にして野菜を積極的に摂ること。
肉類や魚介類には良質なたんぱく質が含まれていますが、肉類には、飽和脂肪酸と呼ばれる摂りすぎるとコレステロールの合成を促進するものが多く含まれています。魚の中でも特に青魚には、コレステロールや中性脂肪を減らすものが多く含まれているので週3日以上は魚料理を摂ることをお勧めします。また、食物繊維はダイエット中は特に欠かせないものです。野菜を1日350g以上を目指して摂取しましょう。
18条 間食はできるだけ減らすこと。
間食を摂ると、1日のカロリー摂取量が多くなってしまいます。スナック菓子は脂肪が多く、ケーキなどは砂糖と脂肪のかたまりです。間食で食べてしまいやすいものは、どれも高カロリーで、しかも、砂糖や脂肪など、最も体脂肪になりやすいものばかりです。間食をやめるのが難しければ、1日1回までとします。なるべく、果物やゼリーなど低カロリーのものにしましょう。
19条 便秘はダイエットの大敵です。食物繊維をたっぷり摂ること。
ダイエットするには、腸内環境が良いことが大前提です。腸内環境は健康のバロメーターとも言われています。便秘の方は、食物繊維、水分を十分摂り適度な運動を心がけ、便秘を改善・予防しましょう。
20条 見えない油に注意すること。
油には、目に見える油と目に見えない油とがあります。目に見える油には、植物油、バター、マヨネーズ、ドレッシングなどがあり、目に見えない油というのは、穀類、肉、魚介、豆、乳製品、菓子類などに含まれる油を指します。目に見える油には注意していても、食材そのものに含まれている目に見えない油には注意がいかないものです。おかずを取り過ぎると必然的に見えない油の量が増えるので、おかずの取り過ぎにも注意が必要です。
21条 お菓子の買い置き、食べたくなるものを見えるところに置かないこと。
お菓子やデザートは、糖質が多く高カロリーでダイエットには避けなければなりません。ジュースも糖分が多く含まれています。ファーストフード類やスナック菓子も体脂肪になりやすいです。人は目で見ることで食欲を刺激されることがよくあります。お菓子を食べたいという誘惑を起こさないためにも、目の見えるところ、すぐ手の届くところに食べ物を置かないようにすることが大切です。
22条 アルコールの飲みすぎに注意すること。
アルコールは間食することと同じくらいカロリーが高いものです。日本酒1合、びんビールなら1本で約200kcal
もあります。また、アルコールでおかずやつまみが進み、食べ過ぎにつながりやすいのです。飲酒習慣のある方は、ダイエット中は控えましょう。
23条 大皿料理にして自由に取り分ける食事は避け、個人盛りにすること。
食卓で作った料理を大皿に盛っていませんか?大皿から取り分けて食べると実際の食事量が思っているよりも増えてしまう傾向がよく見られます。また、余ってしまうともったいないため、残りものを食べて処理してしまうことも少なくありません。個人盛りにすることで食べ過ぎを防止でき、食事が完結できるので食事の形態を見直しましょう。
24条 ストレスを飲食で解消しないこと。
人は日頃の生活で生まれる諸々のストレスを、程度の差こそあれ、食べることで解消しようとします。特に、太る傾向にある人は、このパターンが多くはないでしょうか?ストレスを受けることが多い現在は、食事以外にも、自分に合ったストレス解消方法、リラックス方法を見つけることが大切です。
25条 ゆっくり長時間、有酸素運動をして脂肪を燃焼すること。
有酸素運動とは、酸素を使って脂肪と糖質を消費し、エネルギーを出す運動を言います。この有酸素運動は、人体にとってはみれば、言わば"奥の手"であって、ちょっとした運動では人は無酸素運動でこなしてしまいます。無酸素運動では、カロリーを消費しますが、たまった脂肪を効率よく、そぎ落とすことにはなりません。運動をはじめても、最初は、この無酸素運動がほとんどで、15分から20分間運動を続けていると、ようやく人体は、"奥の手"の有酸素運動に切り替えてきます。したがって、脂肪を燃やすには、最低30分以上、できれば一時間でも二時間でも長く、ながーく運動を行う必要があるのです。心拍数が高くなり、酸素が不足ぎみで運動しても脂肪は燃えません。心拍数は、120を目安に、ゆっくりと長時間運動することが大切です。したがって、有酸素運動のためには、走ることよりも、むしろ早足歩きやエアロバイクなどでの運動が効果的です。
26条 こまぎれの時間を活用して1日の活動量を増やす。
家事や買い物も積極的に行えば、十分なエネルギーになります。何事も身体を動かすことを億劫がらずに、積極的に動くようにするのです。朝のうちや夕食後、ちょっとした空き時間を利用して、例えば、腕立て伏せや腹筋運動も良いでしょうし、ちょっと自転車を漕いでみるのもいいかもしれません。少しでも一日の活動量があがるように努力しましょう。
27条 運動で太りにくい身体をつくる。
人の身体は、一日中じっとしていても、エネルギーを消費します。この生命維持のための最低限必要なエネルギーを基礎代謝量といい、成人男性で1200〜1500キロカロリー、成人女性で800〜1200キロカロリーになります。この基礎代謝量は、筋肉を増やすことで高めることができます。そうすると、一日の消費カロリーがアップし、太りにくくなります。また、最大酸素摂取量というものがあります。これは、身体が取り入れることができる酸素の最大の摂取量のことです。この最大酸素摂取量の値が高いほど、脂肪燃焼の際の酸素の供給が大きいので、やせやすくなります。最大酸素摂取量は、定期的は運動によって増加します。基礎代謝量にしろ最大酸素摂取量にしろ、運動しない人ほど逆に太りやすい体質にしてしまっているのです。運動によって基礎代謝量と最大酸素摂取量を共に上げ、太りにくい身体を作りましょう。
28条 体重は階段式に落ちていく。停滞期も頑張る。
ダイエットをがんばって、日々のカロリー収支がすぐに体重減という数字に表れるかというと、それほど単純ではありません。摂取カロリーよりも多くのカロリーを消費していても体重が減らないということがあります。それは、人の身体というものが、体重が大きく変動をしないように防御する働きが機能しているからです。しばらく、その状態を維持するとようやく身体の方が少ない摂取カロリーで生命維持をとれるようになり(適応)、体重が落ちます。減量は、少しずつではなく、段階的に落ちていくようになっています。体重が数字として減らない時期と「停滞期」と呼びますが、その時期は、ダイエットの効果が表れていないのではなく、身体の方が一生懸命次の状態に備えてがんばっている時期ですので、あきらめることなく継続することが大切です。
29条 高カロリーメニュー、菓子類は大体把握しておく。(カロリーは大体の目安です)
30条 エネルギー代謝を高める食品を補助的に取り入れる。
三大栄養素の他糖質、たんぱく質、脂質だけではエネルギー代謝がうまくいかず、潤滑油としてビタミン、ミネラルが大切です。不足するとスムーズなエネルギー代謝が行われません。積極的に摂りましょう。
エネルギー代謝に関与する成分