インスリン療法とは、糖尿病で不足しているインスリンを外から補う治療法です。1型糖尿病では、インスリン分泌がほとんどないため、欠くことのできない治療法です。
2型糖尿病患者でインスリン療法を導入する場合は、
●食事・運動療法及び経口血糖降下薬で十分なコントロールができない場合
●重症感染症を合併した場合
●手術時
●糖尿病合併妊婦
●重症腎障害、肝障害を合併した場合
●糖尿病性昏睡の時
などの場合です。
インスリン製剤の種類はいくつかあり、患者さんによって異なるものです。主治医の指示をしっかり守り、わからないことがあれば直接主治医にご相談して解決しましょう。
インスリンの作用時間による分類
種類 | 作用 | 作用の持続時間 | |
1 | 超速攻型 | 速攻型よりもさらに速やかに吸収されて早く効く。持続時間が短い。 | 3〜5時間 |
2 | 速攻型 | 早く効くが持続時間が短い。食後高血糖を押さえるために使用する。 | 5〜7時間 |
3 | 中間型 | 速攻型と中間型を種々の割合で混ぜたもの。 | 18〜22時間 |
4 | 持続型 | 1回の注射でほぼ1日効くが、効き始めるまでに時間がかかる。 | 24〜28時間 |
5 | 混合型 | 1回の注射でほぼ1日効くが、効き始めるまでに時間がかかる。 | 18〜22時間 |
血糖自己測定
血糖値の動きを測定することで、インスリン療法をより効果的にする上で有効な手段です。また、低血糖が疑われるときの確認にも役立ちます。
血糖値測定時間は、食事前、食後2時間、就寝前などに測るとよいでしょう。また、自分の生活スタイルに合わせて、運動を取り入れたときの運動前後に測定してみたりと1日の血糖値の動きを把握するのも大変有効です。