糖尿病の食事療法は、決して難しい、特別な食事ではありません。
糖尿病の食事療法の基本は、『規則正しく1日3食、嗜好に偏らないようバランスよく、腹八分目』の健康食です。
必要以上に血糖値を上げずに、すい臓を疲れさせないことがポイントです。
ながら食い、まとめ食いは食べ過ぎのもとで、血糖を上昇しやすくします。特に、インスリン注射や血糖降下薬を内服している方は、1日3食の時間と量を規則正しく摂ることが大切です。
間食をしたい場合は、牛乳や果物を摂りましょう。
五大栄養素 ⇒ 糖質、たんぱく質、脂質、ミネラル、ビタミンを偏らないように摂ること。
●食塩を控えること。(高血圧になりやすいため)
1日7〜10gの塩分量にする。※高血圧を合併している人は7g以下に抑える。 |
塩分には、塩、しょうゆ、味噌などの調味料の塩分と、練り製品や、加工品にすでに含まれている塩分があります。また、漬物や塩漬けされた魚にも塩分は大変多く含まれています。 <ポイント> ★かけしょう油をしないこと。(しょう油、味噌は塩分含有量が多いので頻繁に使わない) ★塩漬された魚、漬物、梅干し、干物などを食べる頻度を多くしない。 ★汁物を1日1〜2杯までに控えること。 ★麺類のスープは残しましょう。 ★かまぼこやちくわ、さつまあげなどの練り製品には塩分がとても多いので回数を少なめに。 ★酸味や辛味、薬味を使用して、なによりも、薄味が基本!! |
●動物性脂肪(飽和脂肪酸)を摂り過ぎないようにする。
動物性脂肪を控え、魚油や植物性の脂肪を摂る。 |
動物性脂肪には、飽和脂肪酸が多く含まれています。摂り過ぎは動脈硬化を促進し、高脂血症になりやすくなります。 <ポイント> ★動物性脂肪で注意するのは、肉類、乳脂肪です。 ★肉類は、脂身の少ないものにし、乳脂肪の多い生クリーム、チーズ、バターの摂り過ぎに注意しましょう。 ★魚や大豆製品はしっかり摂りましょう。 ※脂の多い魚には身体に良い成分が含まれていますが、食べ過ぎればカロリーオーバーで肥満につながるので、適量が大事です。 |
●食物繊維を十分に摂る。(食後の血糖上昇を防ぎ、コレステロールの増加を防ぐ)
食物繊維を積極的に摂取する。 |
食物繊維は不足傾向にあります。食物繊維には、水溶性と不溶性とがあり、水溶性の食物繊維は、血中の血糖値、コレステロールをコントロールする働きがあります。不溶性の食物繊維は、便秘を改善して大腸がんの予防に働きます。 <ポイント> ★食物繊維の中でも水溶性の食物繊維をしっかり摂りましょう。 ★水溶性の食物繊維は、果物、ライ麦、押麦、らっきょう、にんにく、そば、納豆などに多く含まれています。 ※果物は摂りすぎても血糖値に影響がでるので、1日1個を目安に摂ってください! ★主食はできるだけ精製されていないものが良く、玄米、胚芽米、麦ご飯、ライ麦パンなどをおすすめします。 |
適正なエネルギー量を摂取すること。
食べ過ぎは直接血糖を上昇させ、体重を増加させる原因になります。一方少なすぎると体重減少や栄養不良になります。
適正エネルギー量は、年齢、体格、運動量などに見合った量であることがポイントです。
1日に必要なエネルギー量 = 標準体重(s) × 身体活動量
(成人の場合)
標準体重(s)=身長(m)×身長(m)×22
身体活動量の目安(体重1s当たり)
軽労作 | 25〜30kcal |
中労作 | 30〜35kcal |
重労作 | 35kcal以上 |
糖尿病の食事療法は、食品交換表(日本糖尿病学会編/日本糖尿病協会・分光堂発行)を参考に実施することがベストですが、難しいと感じて長続きしないのであれば、上記の食事療法を実施してみてください。ポイントは、『規則正しく、バランスよく、腹八分目』ができれば、きっとコントロールが良くなっているはずです!
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